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タイ国移転価格税制に関する包括的アップデート

15 March 2021

Daisuke Mizukami , Japan Desk Representative |
Ishan Shah , Director |

タイ国は2017年に「税源浸食と利益移転(BEPS)」に関する包括的枠組みに参加して以来、タイ国における移転価格制度は幾度か改定されてきました。当包括的枠組みの特徴として、国別報告書、要請に応じての情報交換、財務情報の自動的交換に照準をあわせた国際的税務基準を取り入れることを、タイ国は要求されました(共通報告基準)。

タイ国では2002年から移転価格ルール(歳入局通達Paw113号)が存在しますが、移転価格が法制化されたのは2018年11月で、2019年1月1日以降開始の会計年度に適用されました。当法では、事業年度中に2億バーツ以上の売上を計上した法人及び法人格を有するパートナーシップは、年次法人税申告書とともに移転価格開示フォームを提出することを定めています。移転価格開示フォーム申告実施2年目に当たる2021年度は、原則オンラインでの申告が求められていますが、タイ国歳入局の許可を取れば、紙ベースでの申告も許されています。申告情報の不足、誤りを含め、提出要件を満たさない場合は、20万バーツ以下の罰金が課せられます。

2020年11月、タイ国歳入局は更なる規則(財務省令369号)を発行しました。当省令では、関連会社間での商業取引及び財務取引条件を含む取引が独立企業原則に即していない、もしくは、関連会社間で利益移転されたとみられる場合には、歳入局員が当該企業の収益や費用を調整する際の規則と条件を示しています。

当省令では、「商業取引及び財務取引条件」とは、書面で作成されているか否かに関わらず、物品及び役務の購入、マーケティング、広告、その他の商業活動、融資、財務支援、財務協力、その他の財務活動に関わる取り決めまたは契約と規定されています。

もし、ある取り決めが、同様の状況で第三者となされた場合の価格、条件、方法等と異なっている場合には、 当該取り決めは利益移転とみなされます。取り決めの比較可能性は、第三者と同様の取り決めを有する企業もしくは法人格を有するパートナーシップ内の内部情報を用いて確認されます。内部情報では比較ができない場合には、外部データが用いられます。2021年1月に収益及び費用を調整するための基礎、手続き、条件が定められました(所得税に関する歳入局長通達400号)。

当歳入局長通達は、2021年1月1日以降に始まる会計年度に関する課税所得に適用されます。当通達では、比較可能性と独立企業間価格の決定のための方法を示しています。取引の比較可能性は当規則にて示されている規定を満たす必要があります。示されたベンチマーク手法と関連する財務指標は以下の通りです:

  • 独立価格比準法と価格;
  • 再販売価格基準法と再販売による利益率;
  • 原価基準法とコストマークアップ率;
  • 取引単位営業利益法と営業利益率;
  • 利益分割法と営業利益額の分割;
  • 上記法が適用できない場合、その他の方法

もし、その他の方法がベンチマーク分析のために検討される場合には、歳入局員により歳入局長へ通知の上、吟味される必要があります。また、個別にベンチマーク分析ができない密接に関連した取引に対してのみ、総合的ベンチマーク手法を用いることが許されます。

サービス取引の場合には、ベンチマーク分析に加え、サービスに関連する実際のニーズと便益が考慮され示される必要があります。

無形資産に関連する取引の場合には、機能、資産及びリスク分析がなされなければなりません。機能分析には、無形資産の開発、改良、維持、保護、使用に関する各契約者の責任に対する調査が含まれるべきです。もし取引が無形資産の使用権、販売・譲渡に関係する場合、期待される利益、地理的限界も検討しなければなりません。

歳入局長通達に規定されている方法に従って遂行された調整事項に基づき、取引相手がタイ国の法人もしくは法人格を有するパートナーシップの場合は、タイ国の法規に従い、取引相手が外国法人の場合は、タイ国が署名した租税条約に従って、適切な調整を行うこととなります。

BDO視点: 20206月、タイ国は租税に関する相互行政支援に関する条約に加盟することにより、脱税及び租税回避に対する国際的取り組みに参加しました。当条約では、タイ国に他の加盟国と情報交換し、税徴収のための支援を得ることを可能にしています。租税に関する国際基準を適用し、BEPSの透明な基準を導入するために、タイ国は国内法のアップデートを行ってきました。タイ国は国別報告書に関する法案も発行しており、20218月までに立法化され、202011日以降始まる会計年度に適用される見込みです。

年次法人税申告書とともに提出されるべき開示フォームは、主に多国籍企業が独立企業原則に基づき取引を行っているかを確認するためのリスク・アセスメント・ツールとして利用されています。当該フォームを強制的に電子申告させることで、関連会社間取引の初期確認を容易にする狙いがあります。これらは、歳入局長通達に即しての更なる調査と税務調査における調整へとつながるものです。

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